コロナ下でデジタルシフトが加速し、消費者はオンラインと実店舗を使い分けながら買い物を楽しむようになった。販売員には従来の対面接客に加え、SNS発信やスタイリング画像の投稿などで客とつながり、情報提供するスキルが求められている。小売り4社から本部や店頭で販売員のデジタル活用を支える社員が集まり、ウェブ接客の取り組みやこれからを語った。
《出席者(発言順)》
- ナイスクラップ 中田恵美さん(第1事業部ワンアフターアナザー・ナイスクラップEC)
- ビームス Heg.さん(カスタマーエンゲージメント本部デジタル部オムニスタイル課スタイルコンサルタントチームサービスマスター)
- バロックジャパンリミテッド 村岡美里さん(OMO推進部デジタルマーケティンググループ)
- アダストリア よぴさん(マーケティング本部)
自分なりの価値をつける
――ウェブ接客の現状は。
中田 「ワンアフターアナザー・ナイスクラップ」はスタッフ全員がインスタグラムのアカウントを一つ持っています。あまり指示すると個性がなくなってしまうので、最近は参考程度にパルグループの好事例を共有しています。それらをもとに自ブランドだったらこういうのがいいねと伝えて、あとは自分がどのような付加価値をつけるかは自由にやっていいよと指導しています。
Heg. 自社ECの四つのコンテンツ――スタイリング、フォトログ、ブログ、ビデオを店舗スタッフ2000人強が発信しています。全社的に、何件投稿しましょうとか、絶対にこの投稿はしましょうとの規則はなくて、それぞれが得意なコンテンツで伸ばしています。スタイリングに出たくないスタッフはブログに特化するとか。
村岡 基本は店舗スタッフが運用していて、各ブランドにオフィシャルスタッフが5、6人ずついます。今はスナップアカウントに対するお客様の目も肥えてきています。これまではブランドが描く女性像を体現していましたが、今は個にフォーカスする方がトレンド。安心して自由に発信できるサポートをしていけたらと考えています。
よぴ 4000人以上の店舗スタッフが(自社EC「ドットエスティ」内のコンテンツ)「スタッフボード」に参加しています。人軸で色々な投稿ができるのが理想。全員が全員、顔を出してスタイリングを投稿するのではなく、雑貨が好きで雑貨だけを紹介する人もいれば、子供がいるスタッフで子供服をスタッフボードで提案している人もいます。スタッフの発信でブランドの魅力や認知が高まるのも素敵だなと思います。
――自身の投稿で意識しているのは。
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