チャールズ・ジェフリー・ラバーボーイ 妖精たちの物語

2019/01/08 06:29 更新


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 【ロンドン=小笠原拓郎】19~20年秋冬ロンドン・メンズコレクションは、今の時代が求めるデザインの強さをデザイナーに問いかけている。アンドロジナスをはじめとする既存の美の先にある新しい何かを探るデザイナーがいる一方で、ビジネスを継続する中でかつてのオリジナルのとがったところが丸くこなれてしまったデザイナーもいる。

 コマーシャルで分かりやすく売りたいコレクションが広がる中で、ハイファッションにはプロダクトとしての服の完成度とともに服の背景にあるファンタジーが求められている。

(写真=ブランド提供)

 テムズ川沿いの水力発電施設があった建物の入り口に、かがり火がたかれている。その横で白塗りのモデルが、古ぼけたピアノを弾いている。エントランスを通り抜けると、発電所に使われていた機械の上で精霊のようなモデルたちが奇声を上げている。チャールズ・ジェフリー・ラバーボーイによる幻想的なコレクションはもうここから幕を開けている。


 それは妖精たちによるファンタジー。ベッドの上で鳥の羽根を手に遊ぶ妖精に、ランウェーでモデルに魔法をかける精霊。次々と現れるモデルたちも動物の妖精のように耳付きのフードやメイク、肩からかけたストールはパッド入りの大きなキツネでできている。ラバーボーイのアイコンともいえるタータンチェックのスーツやキルトスカートは今シーズンも健在。そこに1920年代のイメージやアールデコの装飾、セシル・ビートンの写真のイメージが加えられる。妖精たちの物語は、ピーターパンが着想源。

 そのストーリーからは、ファッションは服だけれど服を超えた何かでもあることを感じさせる。ファッションが商業主義に傾き過ぎると、人々は服の背景にあるファンタジーやエナジーを欲し始める。ただし、それがおとぎ話だけに終わってしまわないためには、プロダクトの現実的な力が不可欠だ。ラバーボーイは、プロダクトの現実とファンタジーの混ぜ方にたけている。それがシーズンを重ねるごとに引き出しの広さとなって現れてくる。


続きは繊研新聞・電子版で


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