若いジーンズ加工職人、感性生かし取引先拡大

2017/03/01 06:20 更新


 ジーンズ加工の癒tORi18(ゆとり18、倉敷市、電話086・470・0618)は、15年からミシンなどの設備を導入し、取引先への対応力を強めたことを弾みに成長を続けている。平均30歳という若い職人が、感性を生かし伸び伸びと物作りに打ち込んでいる。

 同社は法人化して10年足らず。本業の後加工では、薬品を使った色落ち、立体ヒゲ、様々なダメージ、色の吹き付け、リメイクなどでジーンズをはじめとしたデニム製品に新たな表情を加えている。薬品を使った色落ち加工は、前工程にも洗い加工を盛り込むことで、リアルな表情になる。技術が評価され、国内だけでなく、欧米ブランドとの取引も本数ベースで全体の半分近くある。工場として国内の閑散期対策にもなっている。

 15年から導入した設備は、特殊ミシンを含むミシン40台。CAD(コンピューターによる設計)も取り入れた。「お客へのサービス強化の発想」(畝尾賢一代表)から導入したもので、加工受注先からサンプル作成などの要望があった場合にも素早い対応が出来ている。

 取引しているブランド数は150前後で、年間の加工本数は約15万本。売り上げは毎年、右肩上がりだ。従業員数(パート含む)は45人ですべて日本人。山形や東京、静岡、沖縄など県外から就職してくる人も多く、「人手にはそれほど困っていない」。

 今年は別棟で工場として活用している建物を、本工場とつなげる形で正式に増床する計画もある。「2階部分に加工技術を発信していくギャラリーのようなスペースも設けたい」考えで、人を呼び込む機能も強化していく。

薬品を使ってジーンズに表情を加えていく工程



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