八木通商が輸入販売するイタリアのバッグブランド「ダニエル&ボブ」の受注が伸びている。従来から販売している商品に加え、ウェアと併売するセレクトショップや百貨店のニーズに沿った新商品を増やしたことが要因だ。メンズだけだったが、新規に開発したレディス商品でも新たな販路が増えている。
ダニエル&ボブは1976年創業のブランド。八木通商は03年から輸入契約を結び、セルツリミテッドが卸売りしていたが、16年秋冬からは八木通商が小売店への卸も担うことになった。職人が手で絞って付けたしわ模様が特徴の革を使ったシリーズは、独特のデザインとともに艶っぽいカジュアルバッグとして人気を集めたが、このところは売れ行きが鈍化していた。
小売店への卸も担うことを機に、八木通商は商品と価格を見直した。イタリア製のカジュアル服との親和性が高い「モテ系」としてヒットしたバッグのシリーズとは別に、ベジタブルタンニングのナチュラルな革を使ったシンプルなデザインのバッグを日本向けに開発した。
![「クロドーロ」は艶っぽさが「モテ系」に人気のモデル、9万8000円](http://d23ihmxbfvktwx.cloudfront.net/uploads/2016/11/efc2f9299303d3b6333b6850646ef11b1.jpg)
![「こだわり派」に向け新ラインの人気モデル「オテッロ」は6万4000円](http://d23ihmxbfvktwx.cloudfront.net/uploads/2016/11/3bcee5aef7db7872c2ee8e06033e23b2.jpg)
価格帯も、これまでより2割程度下げることにした。この結果、専業メーカーのテクニックを生かした、シンプルだがディテールに凝ったイタリア製のバッグを10万円以下で売れるという点が受け、セレクトショップからの発注が再び増え始めた。同時にレディス向けのバッグも新たに作ったところ、レディス主力の専門店からの受注も新たに加わった。今秋冬の店頭での消化も順調で、17年春夏向け受注は16年秋冬比30%増となった。
今後は、新ラインを品質にこだわりのある顧客を持つセレクトショップ向けに拡販する一方、地方専門店や百貨店向けで根強い支持のある絞り革を使ったシリーズを併売し、ダニエル&ボブトータルでの販売量を伸ばす考えだ。