ウェアラブルIoT(モノのインターネット)製品メーカーのミツフジ(京都府精華町)は5月下旬から、月額課金制で製品を利用できるサービスに切り替える。課金の対象は体調管理用などアプリケーションの利用で、生体データを取得するスマートウェアとデータ送信端末のトランスミッターは無償提供する。気軽に使えるサービスに変更し、ウェアラブル製品の潜在ユーザーの需要をつかむ。3月下旬から全国で代理店を募集し、年内に10万人、20年までに100万人の利用を目指す。
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同製品はヘルスケアやスポーツ分野を中心に需要が高まっており、導入企業が増加している。三寺歩社長は「ウェアラブル市場は成立することがわかった。この先は少しでも気軽に手に取って、使えるサービスを提供する」という。企業向けは利用する従業員数に応じて月額数千円で、従来の約半分になる。一般消費者向けは月額980円にする。
サービス開始時点で1万人が利用する予定。最初に導入する企業は鉄道、電力会社がそれぞれ数千人規模。年内目標の10万人のうち、建設会社や製造業で約70%を想定する。
現在はサービスの対象にしていない一般消費者の利用は「未知数」。ただ、「日常のスポーツ時や、家族の健康状態を遠隔地でも把握したいといったサービスが求められている。特に子供の見守りは要望が強い。かなり費用を落とせばニーズがあるとわかった」として、BtoC(企業対消費者取引)にも乗り出す。スマートウェアは利用者1人当たり半年ごとに3着を提供するため、年間の需要は60万着を見込む。
代理店はIT、アパレル業界を想定しているが、「あらゆる産業の方々にウェアラブルを自社のビジネスにしてもらいたい」考え。