《視点》バリアフリー

2025/05/22 06:23 更新NEW!


 足を痛めて4週間ほど片手杖で過ごした。取材などの外出時、マンションや駅、訪問先で実感したのが階段の多さ。同時に普段はあまり使わないエレベーターが小さな駅でも設置されていて、バリアフリー化が進んでいることを改めて知った。

 杖があると人混みを避け、遠回りでもエレベーターを使う必要があるため時間はかかるが、インフラが整っているのでどこへでも移動はできる。エレベーター利用者が案外、多いことも初めて知った。ベビーカーを押す子連れの親、杖や歩行器で歩く高齢者、大きなスーツケースを持った外国人旅行客らだ。

 94年のハートビル法制定、00年の交通バリアフリー法成立で始まった日本でのバリアフリー化。昨年4月の障害者差別解消法改正法施行により、事業者には合理的配慮の提供が、商業施設や小売店には店舗や売り場のバリアフリー化が義務化された。子育て世代や高齢者、訪日外国人らにとっても、交通機関や商業施設を利用しやすい環境の整備が、日本経済の活性化につながる。本来の目的の障害者の社会参加の促進により、さらに豊かな社会が実現することに期待したい。

(陽)



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