データを活用した顧客理解の重要性がますます高まっている。様々な情報を分析し、顧客への最適な提案を目指す動きが引き続き活発だ。
一方で、表面的な数字だけでは見えてこない「生の声」を聞く価値も変わらない。例えばECサイトの運営において、ユーザーへの直接インタビューを徹底している企業がある。アンケート形式では捉えきれない細やかな課題を会話の中で見つけ、UI(ユーザーインターフェイス)の改善などに役立てているという。
データの背後にある感覚を捉えるという点では、他業界の事例も参考になる。例えば、先日取材した気象情報サービスのウェザーニューズでは「サポーター」と呼ぶユーザーから、気温だけではなく「じりじり暑い」といった体感温度に関する情報も集めている。人が実際にどう感じるかを反映した予測も可能だ。単純に気温を計測しているだけでは分からない感覚を重視し、情報の価値を高めている。
膨大な数字に踊らされず、企業として最終的に何を目指すのか、そして数字の背景にある「人の感覚」をいかに捉えるかという視点がこれからも重要だろう。
(平)