《視点》畑作

2023/06/20 06:23 更新


 5月から、子供の畑作体験に同伴している。畑を持つ地主さんと、地域のボランティアの運営によるもので、教室1個分ほどのこぢんまりとしたスペースに数組の親子が集まって作業している。

 これまでに、畑を耕してうねを作る回、さつまいもの苗を植える回を終え、来月は雑草取りの回がある。力仕事は9割方、保護者担当のため案外ハード。保護者が汗水垂らす間も、子供は泥遊びをしたり、畑に植わるユスラウメを摘んだりと楽しそう。帰り際には、山盛りに積まれたフキやラッキョウ、生花など、畑の隅にチョイ植えした作物を「ご自由に」と分けて頂けるのもうれしい。

 畑いじりが好きというお年寄りは案外多い。足腰が痛みそうなのになぜと思っていたが、自然の中で体を動かす爽快さや、段階を経て成果物が着実に得られる充実感は大きいだろう。友人や近所に、四季折々の作物をおすそ分けし、コミュニケーションのきっかけとするなど、いろいろな楽しみが詰まった豊かな場なのだなと実感した。

 近年、商業施設の屋上を畑作用に貸し出す例も見かける。試しに利用料金をのぞくと、都心と郊外では同一の広さでもだいぶ幅がある模様。屋上にも地価が反映されるのだなぁと、少々せちがらさを感じるものの、需要が増しそうな良いサービスだと改めて思った。

(維)



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