必要な時に、必要な量だけを作る――そんなかつてはごく当たり前だったはずの発想を、いつの間にか私たちは忘れかけている。
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地球の恵みはまるで無限であるかのように享受され続けてきた。だが現実には綿もウールもポリエステルでさえも、すべては大地と水から生まれた限りある命の結晶だ。それらを使い尽くすということは、すなわち未来を奪うということに他ならない。
今、私たちに問われているのは持続可能性ではなく、〝継承可能性〟そのものだ。循環型経済、いわゆるサーキュラーエコノミーの思想を単なるスローガンに終わらせてはならない。
「受け取ったら返す」「奪うのではなく与え合う」。そんな地球との共生の価値観を、社会の根幹に据える時が来ている。
母なる地球に敬意を払い、恩返しをすること。それこそが私たち文明人に課せられた矜持（きょうじ）であり、責任である。
私はこの危機を傍観者としてではなく、当事者として受け止めたい。そして、自らの手で「無駄を生まないものづくり」の新たなあり方を切り開いていきたい。
それはただのトレンドを追う衣服ではない。〝命を守る衣服〟〝未来を育む衣服〟を世に送り出すという挑戦である。
私の大義とは――この星の美しさを損なうことなく、次の世代へと確かに託すこと。
そのために私はこれからもこの「アパレル」という舞台で闘い続ける。言葉ではなく、衣服で語る未来のために。
（福助代表取締役社長 坂本友哉）
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「私のビジネス日記帳」はファッションビジネス業界を代表する経営者・著名人に執筆いただいているコラムです。
