《視点》ブランド運営

2023/04/28 06:23 更新


 渡航制限が緩和されて以降、来日するファッション関係者がぐっと増えた。海外ジュエラーの本国CEO(最高経営責任者)にも、何度かインタビューする機会があった。

 たまたま、この10年ほどの間に同じコングロマリットの傘下に入った異なる二つのブランドのCEOに、この間注力してきたことを尋ねたら、共通点がいくつかあった。

 まず、ブランドのフィロソフィーは何かを改めて掘り下げ、消費者に理解されやすいワードとして定義した。そして、商品開発や販促においても、そのワードと全てリンクさせることで、ブランドの存在意義、他にない魅力や背景を認識してもらうべく取り組む。加えて、職人や提携工場との連携を維持・強化し、ラグジュアリーたる品質を保つための環境を整備し続ける。そのキャパシティーを鑑みつつ、商品企画においてアイテムや価格の幅を広げたという具合だ。 

 ブランド運営の定石なのかもしれないが、意外と軸はシンプル。しかし、コロナ禍も挟みつつ課題を高水準でクリアし、結果を出し続けるには、さぞ手腕が問われたことだろう。見習うべき点は多いなと感じた。

(維)



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