あるラジオ番組で、「食べログ」のようなレビューサイトの話題になった。一般的には評価が4点台や、3点台後半の店が注目されやすいと思うのだが、「プロの料理人が言うには『3.0前後の評価の店がおもしろい』と聞いた」とのこと。
プロの料理人は例えば、「すごく脂っぽい」「味が濃い」といったマイナス評価のコメントに着目しているという。そのようなコメントを頼りに、「『ここは本格中華なんだな』とか『伝統的なフランス料理の技法で作っているのかもしれない』と店選びの参考にしている」とのこと。「評価の高い、低いを問わず、その理由を探って〝口コミの向こう側〟まで見ないと本質的な価値はわからない」と言っていたそうだ。
物事には色々な評価がある。それは色々な立場で、色々な価値を持つ人によって様々。前情報がないと何を選んでいいかわからないからこそ、何かを調べる時にレビューサイトのような情報は誰でも手軽に得られるし便利だ。しかし、一つひとつの情報が良くも悪くも簡略化されてしまっていて情報の精度を求めるなら不十分だろう。
情報の質を求めるなら、手間を惜しんでいては手に入れづらいものだ。ただし、その手間を積み重ねれば、一見何でもないような情報さえもおもしろい情報に変換できる力が身に着くかもしれない。
(嗣)