《視点》立地の再活用

2021/10/01 06:24 更新


 商業施設が秋の開業シーズンを迎えている。ただし、例年と様相が変わっているのは間違いない。開業が相次ぐといってもGMS(総合小売業)の後を引き継ぐケースが目立っているからだ。

 9月18日に開業したイオンタウン川之江(愛媛県四国中央市)は、多層型のGMSを建て替えたもので、ヒューリックは23日にリコパ鶴見(横浜市)を業態転換で開けた。このあとも野村不動産グループのソコラ南行徳(千葉県市川市)など同様の物件のオープンが予定されている。

 かつてなく新規の開業数が減っている。オーバーストアといわれていたところに少子超高齢化や人口減が顕在化、市場の広がりが見込めず二の足を踏む、そこにコロナ禍が拍車を掛けている。新規出店がしにくいテナント企業の状況もある。しかしそれでもなお、ここは新たな機会になっている。GMSを続けることは難しかったが、顧客がいたことは間違いなく、変えることでの伸び代を見込んでいるものだ。

 もちろん物販よりもサービス、居場所になる環境整備など工夫は欠かせない。それでも商圏拡大が見込みにくい中、それぞれに多頻度来店を促す仕掛けを盛り込んで立地の再活用を目指している。

(光)



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