《視点》回帰

2021/05/11 06:24 更新


 コロナ禍で産業を問わずEC参入が急増した。ECベンダーへの問い合わせは今も相次いでおり、開発やサポートの人材不足で対応が追いつかなくなっているところもあるようだ。

 自宅に物を届けてくれるECはとても便利だ。これが当たり前に感じるようになると、次は何を買えばいいかといった選択の支援にもニーズが及ぶ。購買履歴からのレコメンドや、AI(人工知能)を使った自動応答も珍しくなくなった。これも当たり前になると次に自動的な応対でなく、実店舗の販売員のように丁寧な相談や会話を望むようになり、その欲求を満たすために実店舗が見直されている。

 ECで商品を選び、実店舗で受け取る。またはその反対もあり、OMO(オンラインとオフラインの融合)が浸透し出した。すでにECは「E」(電子)だけの範疇(はんちゅう)に収まらず、ただの「コマース」となりつつある。店頭は大事な顧客接点として見直され、対面対応はECが台頭する以前にも増して重要になっている。

(樹)



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