カタログ通販のサイトで買い物をした。利用するのは30年ぶりか。SNSに度々広告が入り、サイトを見ると、人気のスタイリストやモデルとの協業も多く、旬なシルエットやカラーのウェアが手頃な価格で並んでいた。
「進化してるんだな」との思いとともにポチっとしてから、はや10日あまり。そういえば品物が届かない。何かミスがあったかと改めてオーダー完了メールを見ると、「発送まで3~4週間お待ち下さい」と記載があり、たじろいだ。ひと月したらセールも始まる。検索すると、同じような驚きを感じている消費者が数多くいるようだった。
4週間は極端だが、カタログ通販って元来そんなに早くは届かなかったかも、と昔の記憶がよみがえってきた。当時は「そういうもの」とこちらも悠長に構えていた気もする。
一方、昨今の多くのECは、商品が中2日で届く。記者のような世代ならまだしも、EC育ちの消費者は違和感を覚えるに違いない。大半の小売業がECを介した通販事業に参入し、日々UX(ユーザーエクスペリエンス)を磨いている。カタログ出身の事業者でも、発送を迅速化している企業は多いはずだ。せめて事前のアナウンスを徹底するなど、期待とのギャップを埋める取り組みをしていかないと、新規客が根付かないのではと思った。
(維)