欧米を中心に海外では、サステイナビリティー(持続可能性)やエシカル(倫理的)な要素のなかでも、特にサプライチェーンなどの透明性を企業に強く求めるようになっている。発露の仕方が違うだけで、日本の消費者も、企業に透明性を強く求めているように思う。
近年ひどくネガティブなイメージとなっている言葉に、「ステマ」がある。ステルスマーケティングの略だ。今や主語を隠す、あるいはすり替える偽装行為とすら捉えられている。嫌悪感は企業や発信者を信用していたからこそ生まれる。
消費者は、むしろ企業の顔と動きが見えることを、単なる企業責任という以上に歓迎していると言える。日本市場には、伝え方が消費者にはまれば、海外のようなサステイナビリティーを求める動きが広まる土壌がある。
ステマ騒動は、かつての数々の炎上を経て年々減っている印象だが、いまだに有名企業が批判される事例はある。なかには広告する責任に対する、企業の明らかな理解不足も見受けられる。企業は、現状の消費者の本質を把握し、それをサステイナビリティーなどと照らし合わせ、企業活動に真摯に反映する姿勢が必要だ。
(稜)