最近、英BBCの「ソーイング・ビー」という番組をNHKで見た。英国の一般人が縫製技術を競う内容で、20~80代までの男女8人が時間制限の課題をこなし、審査される。なかなかに面白かった。
一般人だからか技量に自信たっぷりではない中で、審査員2人は辛口。「あれは失敗しそうだ」と言い合うのが本音を表す海外っぽい。
前半に考え過ぎ、時間に追われて単純なミスをしたり、体調を崩して帰宅する挑戦者も出たりする。脱落が予想されていた競技者がいい仕事に仕上げる一方、アイデアはいいが縫製前に時間をかけすぎて失格となる人も。そのほか裾のライン、肩の位置など細かに審査員から指摘されたりと、内容に引きつけられた。
改めて気付かされたのが「服は人のアイデア・労力・時間を大いにかけて作られている」ことだ。既製服が大量にあふれ、簡単に消費されているが、ゼロから服を作るには、確実・丁寧な技術を基盤に、クリエイティブなアイデア、美意識・審美眼も必要で大事な要素になる。
いまファストファッションは低調だが、世界的に丁寧な服作りの技術や企画力、労力、手間ひまにスポットが当たる時代となってきたようだ。
(疋)