《視点》タピオカで考える

2019/10/03 06:23 更新


 台湾の大学でファッションを教える助教授と話す機会があった。話題はタピオカミルクティーのことに。東京の街であのプラスチック容器を見かけるたび憂鬱になると言うと、そもそもの台湾では今、持参した容器に入れてくれる店が増えたと教えてくれた。プラゴミへの関心は急速に高まり、鉄製のストローを持ち歩く人もいるそうだ。

 そこからファッションの教育の話に。台湾では学生同士の競争が激しく、卒業制作などのレベルはおのずと高まる。英国をはじめ欧州への留学も多いという。

 話したのは、あるアワードの会場。そこで賞をもらった学生が一言も発せず、表情が変わらないことに少し引っかかった。うれしくないのかなと心配になった。誰かの前で何か主張したり感情を表すことに、恐怖でも感じているのだろうか。台湾の熱い話を聞いた後だけに、それが印象に残ってしまって、すっきりしなかった。

 タピオカの容器をどうにかしなくちゃとか、マイストロー持って店ではストローを断るとか、そういうのも言えないのかな。

(赤)



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