環境(E)、社会(S)、企業統治(G)の非財務の要素を企業評価に組み入れた投資活動、ESG投資が世界的に注目されている。
ESG投資はこの数年で着実に拡大している。16年から18年にかけて世界全体で34%増加し、31兆ドル規模になった。日本では約360%の伸びで2.2兆ドルに達している。この投資をめぐる企業や投資家の動向は、国連環境計画・金融イニシアティブの主導で策定された「国連責任投資原則」が契機といわれている。また、30年に向けて世界的優先課題、世界のあるべき姿を指し示したSDGs(持続可能な開発目標)の制定も背景にある。
そのESG投資の手法としてネガティブスクリーニングがある。武器、ギャンブル、たばこ、アルコール、原子力発電など倫理的でないと定義される特定セクターの企業を投資先から除外するものだ。
今、ファッション産業は社会・環境問題において厳しい目が向けられている。衣料廃棄物や化学物質管理、労働人権問題、サプライチェーン全体の環境負荷など。これらの課題に対して具体的な施策を打ち出して行動することが、企業及び業界全体の信頼を生むことになる。
(民)