傘業界にも、サステイナブル(持続可能)の問題意識が広がっている。代表する一つの例が、全てプラスチックでできた傘。一部のコンビニエンスストアでも販売され、そのスタイリッシュなデザインも相まって、SNSで「さびないのがうれしい」「おしゃれ」と反響が広がっている。しかし、廃棄のサイクルが十分に確立されていないこともあり、市場に根付くのは、まだ時間がかかりそうだ。
最近、従来の金属骨を使ったビニール傘が多量に廃棄されている現実が浮き彫りとなり、社会問題になった。急な降雨に見舞われても、どこでも購入できるビニール傘は便利。だが、その傘は一時的な緊急事態を回避する手段でしかなく、簡単に置き忘れられ、捨てられてしまうのがほとんどだ。
「市場的には、傘のレンタルシェアや、修理して長く使うことを推奨するのが現実的なのかもしれません」とは、ある百貨店の洋品雑貨バイヤー。企業の考え方も商品企画も千差万別かもしれないが、消費者に地球環境に優しい消費をしてもらうためには、傘業界が一体となって、この問題を良い方向へ導いて欲しい。
(麻)