《視点》“小”なれども

2017/12/13 04:00 更新


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 ある新興アパレルメーカーは、卸し先からの商品の追加発注を全てLINEを通じて受けている。卸し先が品番と数量を記入したり、既存の発注表をそのまま撮影して送信。なかには商品そのものを撮影して「コレ追加求む!」とくるケースもある。「早くて簡単。既読表示があるので受注漏れもない」と便利に活用している。

 一方、地方の路面専門店ではインスタグラムやLINEを生かして顧客との〝距離〟を縮める。約百数十人の上顧客のグループを登録し、新しく入荷した商品情報をいっせい送信。顧客からの「価格はいくら」「取り置きしておいて」などの質問やニーズに即応じる。店オリジナルのブランドミックスのコーディネートも提案でき、動画配信で商品に使われている生地の風合いも見せる。

 ショップオーナーは「SNS(交流サイト)を通じて事前に顧客とやり取りしているので、来店前に接客をほぼ終えているようなケースもある。実店舗での購買が短時間でスムーズになった」と、店舗スタッフはオーナー含めて2人で切り盛りする。子育てに忙しい世代の顧客にとっては購買の〝時短〟にもなっている。

 SNSが定着することでロングテール領域のビジネスにも商機が生まれている。〝小〟なれども〝弱〟ではない。(民)



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