店頭で素材の機能性をアピールする例が増えた。先日も、20~30代が中心対象のブランドでTシャツを見ていたら、「それ汗染みが目立ちにくいんですよ」と声をかけられた。
意地悪な気持ちが働いた記者は、仕組みや取り扱いについて説明を求めたのだが、なんだかあいまいな答えしか返ってこなくて、買わずに店を出てしまった。ECサイトで後日、生地表面への汗染みを目立ちにくくし、吸水速乾性を高める後加工が施されているのがわかり、〝ぽちっ〟と購入した。
機能素材は購買を後押ししてくれるが、ひと目ではわからない要素だけに、説得力のある説明は重要のように思う。最近こそ、「機能素材の下げ札をつけるブランドが増えてきた」(合繊メーカー)が、スポーツやインナーのような打ち出しは、ブランドイメージとの兼ね合いもあって難しい。それだけに店頭で販売員が果たす役割は大きい。
18年春夏に向けた各社のテキスタイル提案を見ると、機能素材のバリエーションはますます広がりそう。とっつきにくい世界かもしれないが、今から理解を深めておけば、大きな武器になるはずだ。(侑)