ユニー 「ニューアピタ・ピアゴ」構想の1号店オープン GMSの再生目指す

2020/07/02 06:27 更新


 ユニーはピアゴ妙興寺店(愛知県一宮市)を改装、ピアゴプラス妙興寺店としてオープンした。同社が掲げる「ニューアピタ・ピアゴ」構想の1号店。GMS(総合小売業)の再生を目指し、フロアごとに衣料品や食料品などを直営の専門店方式で運営。店舗スタッフに大幅な裁量を与えるドンキ流の個店経営で地域ニーズに対応する。

(神原勉)

 同社はGMSのアピタ、ピアゴを「メガドン・キホーテユニー」として業態転換し、ドンキ流の品揃えや見せ方でGMSが取り込めなかった若い層を取り込んできた。当初、既存GMSのうち100店を業態転換するとしていたが、業態転換によって商圏内のアピタやピアゴの売り上げが伸びる事例が多くあり、メガドン・キホーテユニーへの転換だけではないGMS再生の道を探っている。

 ピアゴプラス妙興寺店は1~3階に直営の売り場が入る。1階は食品のピアゴプラス、2階は衣料品の「アピタクロージング」、3階は医薬・家電・雑貨の「デイリードラッグ」。独立した専門店としてフロアを運営する。商品の調達や陳列などはユニーに近いが、「ユニーは品質への支持が高い半面、価格の評価が低い」という消費者への調査結果から、品質を維持しながら価格訴求力を強めている。

 衣料品のアピタクロージングは19年6月に三重県鈴鹿市に1号店、11月に岐阜県美濃加茂市に2号店を出して以来。これまでの2店はメガドン・キホーテユニーへの出店でヤングの来店が多いが、妙興寺店ではシニアからニューファミリーまでを主力客層としている。

 女性向けの構成を高め、特に30代から40代狙いのカテゴリーを増やした。また、ミセスゾーンも拡大。半面、子供服は学童用品以外は扱っていない。売り場面積は約1650平方メートルと改装前の衣料品面積と変わっていないが、アイテム数を30%増やし、価格の幅を広げた。

30~40代の女性向けに新ブランドを導入(アピタクロージング)

 売り場作りにパートタイマーの声を反映していることも特徴だ。スポーツシューズへのニーズが高い中で、「ニューバランス」のコーナーを大きく取ったのはパート社員の発案。仕入れにも参加し、お客の要望を品揃えに反映させた。

 店全体では売上高は改装前比40%増、粗利益額38%増を目指す。同社では 年内にアピタを1店、来年は複数店をニューアピタ・ピアゴとして改装する計画。

「ニューバランス」コーナーはパート社員が仕入れに参加し売り場を作った


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