ユニクロが9月15日夜、ニューヨーク近代美術館でグローバルメディアイベント「アート&サイエンス・オブ・ライフウェア」を行った。ソーホーに出店して20年経ったことに合わせ、ライフウェアについてより深く理解してもらうことを目的に行われた。
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ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長によると、現在ユニクロは米国内に76店、北米全体で108店を展開し、グループ全体では27カ国・地域に約3600店を出店し、今年8月期の売上高は3兆4000億円を見込む。柳井社長は、「今日のグローバルな成長は、ニューヨークの成功から始まったと言っても過言ではない」「ユニクロは服を通じて、より良い社会をつくることを使命とし、その核心にある理念が〝メイド・フォー・オール〟。その精神を具体的な形として体現したのが〝ライフウェア〟」と説明。世界的ヒット商品として、「ユニクロ:C」のスウェットワイドパンツとヒートテックカシミヤインナーを紹介した。
東レの大矢光雄社長も登壇し、米国に工場を12拠点構えていること、ボーイング社に炭素繊維複合材料を供給していることを含め同社の紹介をした。
ユニクロのグローバルブランドアンバサダーであるロジャー・フェデラー氏とケイト・ブランシェット氏、ユニクロのクリエイティブディレクターのクレア・ワイト・ケラー氏によるパネルディスカッションも行われた。ブランシェット氏は、「良質の服は誰でも買えるものであるべきで、それがブランドのDNAだと思う」とユニクロへの共感を示した。刺し子などの日本の工芸や完璧と美しさを求める日本の物作りに感銘していることも示唆した。

アンバサダーになって7年経つフェデラー氏は日本について聞かれると、子供たちを連れて日本に行って帰ってくると、子供たちが「今度はいつ日本に行くの?」と聞くほど日本を気に入っていると話し、「日本から戻ると人に礼儀正しくなる」と語った。

ユニクロ初のアーティスト・イン・レジデンスに選ばれたアメリカのコンテンポラリーアーティストのKAWS(カウズ)氏も、今後の抱負を語った。後半は近代美術館の中庭でレセプションが行われた。
(ニューヨーク=杉本佳子通信員)