昔ながらの天然藍染色工房、村田染工「壺草苑」 一流ブランドからも厚い信用

2025/11/05 14:00 更新有料会員限定NEW!


村田社長

 村田染工(東京、村田敏行社長)の壺草苑(こそうえん)は、日本最大規模の天然藍による染色工房だ。本場徳島県で作られた原料による昔ながらの藍染めは、美しい藍の青と堅牢度の高さが自慢。自社のオリジナルブランドを企画・製造しているが、国内外の高級ブランドからの注文も後を絶たない。

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繊維産地の歴史と共に

 東京の西、JR青梅駅から車で数分。静かな里山のふもとに建つ工房は、観光地のペンションのようなしゃれた雰囲気だ。入り口をくぐると、自社製品を販売する併設ショップがあり、奥の染色場から藍が発酵した独特の香りが漂う。

おしゃれな雰囲気で観光客も多い「壺草苑」
藍の香りが漂う工房

 村田染工の創立は1919年。青梅一帯はかつて、多くの機屋が集まる繊維産地として栄え、同社も染色業として一角を担った。当時は、明治時代に日本に入ってきた合成インディゴでの染色が主力だったという。

 天然藍にかじを切ったのは1985年。村田さんの父の代だ。化学染料による染色を安価で請け負う海外企業との価格競争にさらされたことに加え、近隣の郷土資料館でかつて青梅の特産品だった「青梅嶋」(青梅縞)の反物が発見されたのがきっかけだった。

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