上の写真は、どこだと思いますか?? さて、その答えは…
4月20日にオープンした東京の最旬ランドマーク「GINZA SIXの屋上庭園です!」
「銀座の空に浮かぶ緑」というテーマのもと誕生したこのガーデンは、銀座の街の息吹を直に感じ、そして感動を共有することのできる当エリア最大規模を誇る憩いの場として、世界中から訪れる多くの人々を歓迎してくれているに違いない。
また4月28日には、新たなクリエイティブ活動の拠点として注目の複合施設「SHIBUYA CAST.(渋谷キャスト)」がオープン▼▼
こうして常に進化を遂げ、魅了し続ける東京の街は、これまでもしばしば映画の舞台としてスクリーンに登場している。
その代表格と言えば、1953年に公開された、世界の小津安二郎監督の作品『東京物語』。またそのオマージュともいうべき1985年に製作されたドキュメンタリー『東京画』は、小津監督を敬愛するドイツの映画監督ヴィム・ヴェンダースによる作品だ。
そして新たに加わる「東京」シネマは、1996年に三島由紀夫賞の候補にもなった「音の地図」の原作者、辻仁成が自ら監督、脚本、そして編集を兼務する新作『TOKYOデジベル』。
そこで、今回のCINEMATIC JOURNEYは、辻監督が語る「東京、そしてデザイン…」。
それでは早速▶
“東京は、今の僕からすると、憧れの外国の首都みたいな感じですかね”
と語り始めた辻監督は、パリに住んで15年になるという。
「最近は東京へ来る度に、外国人が来る感覚に近くなっていて…だから今回の『TOKYOデシベル』は、もはや外国人の監督が撮った映画みたいな感覚で観てもらうのが一番新鮮かもしれないです。フランス人の監督が撮った映画みたいな感じ(笑)そんな風なイメージだと思いますよ」
ちなみに、辻監督にとって東京が外国に思い始めたのは2011年の震災後のことだったとか。
“あの時、東京が真っ暗になったんです。
東京ってものすごいエネルギーを使っているんだなって!”
新たな視点が芽生えたきっかけになったと語る。
「そこから復興の光がついていく力強さを見ていて、すごいな~って思うようになり。で、気が付くと僕自身、人生の約1/4も外国で暮らしている訳で…」
それゆえ、昨今では帰国すると度に、日本がすごく新鮮に感じるようになったという。
「20年前、小説を書いた頃の東京と、今の東京は違いますよね。外側は変わっていなくても、内側の東京は速度が違いますから。ビット数が上がった感じ?以前は8ビットだったのに、今は64ビットくらいな違いがあって。見た目のケースは一緒なんですけど、中の容量が違うみたいな感じですよね。だから、おそらくあの頃に撮っていたら、違うモノになっていましたね(笑)」
一方で、辻監督にとって東京は、執筆当時は居住地であったのだが、現在は外国から戻ってくる街へと変化した。
♪東京の音とは?
「東京の音はノイズなんですよね。人間が、都会が奏でるノイズ。一つ一つは雑音なんですが、集まると地図ができる、東京の音ができる。本作では、SUGIZOさんが作っている、東京のノイズの音楽があるんです。東京の音だけを使ったノイズミュージックで、それが心地いいんです。ちなみに東京のノイズの音は、ヒップホップとかDJなんかにもあうと思いますね。最先端な…『TOKYOデシベル』は、そんな東京のノイズ感っていうものを、洒落感のある映像に切り取ったっていう感じですかね」
東京を色に例えるなら?
「Jazzyな感じの青ですかね。鮮やかな青じゃなくて、どっちかっていうと紺に近いような。カッコイイと思いますよ!」
“溶け込んでいく衣装っていうのかな?そうすると人間がたってくるんです”
と語る辻監督。
「主演の松岡充さんに着てもらった服なんかは、彼が普段着ている服なんかとは全く違う、Tシャツとチノパンみたいなほんとに目立たないものにしていただいたんです。ですから、『チノパンを探してきてくれ!』と依頼して、集まった20着くらいを並べてみたのですが、『全部同じですね~』って(笑)」
と言いながらも、こだわり感が隠せないのが辻スタイル。
“引き算の美学みたいなものを持っているファッションって、好きですね”
自身も同様に足していくものでなく、引いていくものの中に個性があるスタイルを好まれるという。
「キラキラきらびやかな黄金の大スターの服装みたいなものは、今の自分は求めていないかなって思います。でも、おしゃれでありたいから。おしゃれは大好きなんで…」
そこにはやはり個性が光っている。なぜなら個性失くしてファッションとは呼べないという辻流ファッション哲学があるから。そして最も印象に残るひとことで締めくくりたい。
“素晴らしいデザインのインテリアとかファッションには、すべて物語がある。
そういうものというのは、誰もがマネできない”
『TOKYOデシベル』という映画も、辻仁成監督ならではのデザインとストーリーズで紡がれている。
5月20日より、ユナイテッド・シネマ豊洲他にて全国公開
©「TOKYODECIBELS」製作委員会
ということで7月2日まで、「銀座メゾンエルメス フォーラム」にて開催中の「水の三部作 2」アブラハム・クルズヴィエイガス展の作家と同意見の私は、
"物語の詳細は、実際にそれぞれのココロで感じていいただきたく!”
(*辻仁成さんの辻は一点しんにょうになります)
HIROKO USAMI
東京人。音楽、アート、ファッション好きな少女がやがてFMラジオ(J-wave等)番組制作で長年の経験を積む。同時に有名メゾンのイベント、雑誌、書籍、キャセイパシフィック航空web「香港スタイル」での連載等を経て、「Tokyo Perspective」(英中語)他でライフスタイル系編集執筆を中心に活動中