東武タウンソラマチが運営する東京スカイツリータウンの商業施設、東京ソラマチ(東京・墨田区)が売り上げを伸ばし続けている。立地とコンセプトを生かしたイベントで内外からの観光客を捉え、東京の東部でファッションも含めて買う場として認知が広がっている。
(田村光龍)
営業面積3万1000平方メートルにファッション関連など300店余りが揃う商業施設としての存在感が増している。セレクトショップなどが男性客を引き付けるようになっており、スポーツ関連などを充実してカップル客が増えた。
さらにこの間は、通勤帰りの来館者が増え、夕方の売り上げが上がっているという。東京東部から千葉、埼玉にかけてを商圏とし、そこに住む顧客にとって、東京都心や西側の商業集積地に行かなくてもすむ利便性を提供する役割を果たそうとしている。
売り上げは18年3月期で415億円に達しており、19年3月期も6月から10カ月連続で前年同月実績を上回るなど増収は確実。この3月もアースミュージック&エコロジー・トーキョーが同業態の旗艦店としてオープンしたのをはじめ、ストロベリーフィールズなども開いた。「来てくれるお客にマッチする受け皿づくり」(坂巻尚館長)が進む。
立地を生かしたにぎわいづくりも進んでいる。開業の12年以来、江戸下町の打ち出しが定着、拡大しており、内外から観光客を集める。現在行われている「ソラマチさくらまつり」も大きく成長した。テナントとの連携は、スイーツから始まり、レストランへ、そして物販にも取り組みが広がっている。ゴールデンウィークに行う「こいのぼりフェスティバル」は、東武鉄道沿線の群馬県館林市や埼玉県加須市を巻き込んできたが、今年は兵庫県の産地、加東市とも連携する。これにより掲揚するこいのぼりは前年の1000匹から1500匹に拡大する。エリアの風物詩として定着しており、今回さらにスケールアップする。
これらは、〝シタマチ・ワンダーランド計画〟をテーマにした、接客も含めた差別化の取り組み。継続する中で、日本の文化、歳時記に応じた体験型のイベントが支持される施設になった。アパレルからのシフトはあるとはいえ、福袋を販売する元日の売り上げ記録は更新が続いている。今年2回目となった節分の豆まきには多くの人が集まり、ロールプレイング大会の代表に参加してもらっており、販売員のモチベーションにもつながっているという。