フォンダシオン ルイ・ヴィトン で「宇宙の旅」(松井孝予)

2015/02/06 16:54 更新



” Touch ” Photo Iwan Baan

 

■21世紀のモニュメント フォンダシオンルイ・ヴィトン

昨年10月20日に開館したフォンダシオンルイ・ヴィトン(FLV)。

ガラスとスティールがアイスバーグのように、そして今にも何か変化を起こすのではないかと思わせる、建築家フランク・ゲーリーの未完のような大作の建物は、すでに21世紀を象徴する素晴らしいモニュメントだ。

12月中旬まで開催された開館記念プログラム第1ステージ、「創造の旅」をテーマにした展覧会には、20万人(うち3分の一が仏国外から)が訪れた。

FLVの外観から与えられる驚きもさることながら、内に秘めたパワーもすごい。ここにいるだけで、何か感覚が湧いてくる。 

 ■開館記念 第2ステージ 

Olafur Eliasson ” Contact “

まずはアーティスト、オラファー・エリアソン / Olafur Eliasson について。

 

 
オラファー・エリアソン (c)Fondation Louis Vuitton Luc Castel

 

1967年、コペンハーゲン生まれ。両親はアイルランド人。2003年にロンドンのテートモダンで発表した「ザ・ウェザー・プロジェクト」で名を広める。 

日本では「影の光」(原美術館2005~2006年)、「あなたが出会うとき」(金沢21世紀美術館2009~2010年)の企画展、そして昨年、ベネッセアートサイト直島で「カメラオブスクラのカレイドスコープ」(2006年作)が展示された。現在コペンハーゲンとベルリンを拠点に活動。人間の知覚に働きかける作品を発表している。

「コンタクト」は、作品を鑑賞する展覧会ではない。エリアソンが、FLVに創造したプラネットを体験する展覧会だ。

彼はプレス内覧会で、「フランク・ゲーリーの建築と同じ強さの創造をしたかった」と語った。「自分の知覚とスペースとユニバースをひとつにするリレーション」を探究する。実際「コンタクト」をカラダで体験すると、それが分かる。

 

 
” Contact “ 


” Contact “ 


” Contact ” Photo Iwan Baan


■変化する光と影のコエグラフィー(振り付け)

ここでは展覧会の「見学者」を、大胆にもコンタクトへの「アストロノート/宇宙飛行士」と呼びたい。アストロノートは、エリアソンによる7つの光と影の空間を遊泳する。それは、” Touch ” (冒頭の写真)本物の隕石に触れることからはじまり、

 

 
” Parallax planet ” Photo Iwan Baan 


” Map for unthought thoughts “ 


” Map for unthought thoughts ” Photo Iwan Baan 


” Double infinity ” Photo Iwan Baan 


” Bridge from the future “ 


” Big Bang Fountain ” Photo Iwan Baan

 

へと続く。

 闇から抜けると、エリアソンがFLV開館に合わせて制作した ” Insaide the horizon ” がインスタレーションされた池に繋がる通路に出る。

この展示会の内容は言葉ではなく、というか、説明できないので、ビジュアルでどうぞ。そしてパリにおいでの際は、是非是非「コンタクト」の宇宙遊泳を体験してください。2月23日まで。

◇インフォメーション

FONDATION LOUIS VUITTON

8, avenue du Mahatma Gandhi

Bois de Boulogne 75116 Paris

メトロ / Les Sablons

専用シャトルバス / 凱旋門 Avenue de Friedland から15分置きに出発

火曜日休館

月~水 / 12:00 – 19:00

金 / 12:00 – 23:00

土日 / 11:00 – 20:00

公式サイトはこちら




松井孝予

(今はなき)リクルート・フロムエー、雑誌Switchを経て渡仏。パリで学業に専念、2004年から繊研新聞社パリ通信員。ソムリエになった気分でフレンチ小料理に合うワインを選ぶのが日課。ジャックラッセルテリア(もちろん犬)の家族ライカ家と同居。



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