衣料に関する災害支援衣類研究会 避難所で亡くなる人をゼロに

2023/03/10 08:00 更新会員限定


左から研究会メンバーの水谷、平田、谷、2人おいて須田の各氏

 東日本大震災から12年。災害対策は私たちの大きな課題となった。地震による津波や洪水で命を落とす人の中には、低体温症が原因の場合もある。防災タワーや避難所まで行けても、ぬれた衣服のままで気温10度以下で長時間さらされれば、リスクは高まる。着替えがあれば助かる命がある。「避難所で亡くなる人を出さない」との思いで、備蓄衣料の開発や普及を進めている災害支援衣類研究会(通称=W研究会)を取材した。

(藤浦修一)

 会が本格的に動き出したのは昨年10月。きっかけは、日本繊維製品消費科学会の災害・安全研究委員会で講演した災害備蓄管理士の須田雅太郎さんと、日本家政学会で「備蓄物資を活用した防寒対策の検証」を発表した四天王寺大学の谷明日香准教授らのグループがコンタクトをとったこと。

 研究会名は、災害避難所で命を守る上で重要とされる「TKB」の「T」(トイレ)、「K」(キッチン)、「B」(ベッド)に「W」(ウェア、ウォーム、ウォッシュの頭文字)も加えるべきとの思いから。災害対策の盲点である衣類に関する研究と被災地での実証、市民への備蓄啓発を通じて死者を減らす。そのために避難所での災害支援用衣料の備蓄や家庭での防災バッグに必要な衣料を準備することを促す。

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