【記者の目】コロナ下で広がるウェブ接客 顧客満足度を高める

2021/03/15 06:26 更新


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 コロナ禍で、各社がデジタル化を推進している。その中でも大きな変化の一つとなっているのが、ウェブ接客だ、昨年4、5月の緊急事態宣言下での店舗休業を受け、欠かせないコミュニケーションツール、または販売チャネルとしての認識が高まり、一気に広がった。販売現場で培った接客スキルが生き、売り上げだけでなく、顧客満足度の向上にもつながるとして取り組みが進む。

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モニター越しの接客

 ウェブ接客を大別すると、図のようになる。特に、目新しさもあり注目されたのが、1対1で接客するビデオ通話での接客だ。ZoomやTeamsなどを活用。販売スタッフと消費者がモニター越しに会話しながらの販売や、相談を受ける。


 4、5月の緊急事態宣言下では、ブライダルリング専門店やラグジュアリージュエラーなどが相次ぎビデオ通話型ウェブ接客を開始。このほか、「フランフラン」がビデオ通話と3Dシミュレーターを活用してのオンラインインテリア相談サービスを10月から開始するなど事例が相次いでいる。ブライダルリングやインテリア用品は、専門的なアドバイスを聞きたくなると共に、接客に時間を要するアイテムであり、こうしたサービスと好相性だ。

 VIP向けの販売にもマッチする。百貨店各社は、昨秋ごろから外商向けの催事販売において会場と顧客宅をビデオ通話でつないでの販売を開始している。

 ミセス向けアパレルの「レリアン」でも、VIP顧客向けに、ハイエンドラインの春夏商品のオーダー会を本社スタジオと、顧客を招いた店頭をつないで実施した。外商催事とレリアンのケースは、顧客側にも担当者が帯同し、PC操作を代行することで利用者側のハードルを下げている。事前にカタログを送付してヒアリングしたり、ウェブ接客後にもフォローを入れるなど、リアルの接客と組み合わせてコンバージョン率を高めている。

 百貨店では、三越伊勢丹がリモートショッピングアプリの運用を開始。ビデオ通話を含めたウェブ接客を受けて店頭扱い商品の購入を可能にするといった、より組織的な取り組みを始めた。

 若年向けのアパレルブランドやセレクトショップで全盛になっているのは、バニッシュ・スタンダードのアプリケーションサービス「スタッフスタート」に代表されるEC上でのスタッフコーディネート画像だ。モデル画像と比べ、消費者の等身大に近く、着用時の参考として活用されている。SNSと連動してのファン作りもできるほか、経由EC売り上げがたどれるため、モチベーションアップにもつながる。特に、店舗の休業や営業時間が短縮する中で、販売スタッフが活躍できる場として活発化。スタッフスタートを通じた20年の流通総額は前年比175%増の1104億6500万円超になっている。

「越境ライブ」手応え

 1対大勢に向けたライブコマースは、活用が盛んな中国向けに越境で実施する企業が増え始めた。渋谷パルコ、大丸心斎橋店といった、コロナ以前にインバウンド(訪日外国人)比率が大きかった商業施設が昨秋に相次ぎ越境ライブコマースを実施。手応えを得ている。1月に東京ビッグサイトで開催された合同展示会「国際宝飾展」会場でも、中華系、フィリピン系の在日バイヤーが出展ブースを訪れ、スマートフォン越しに消費者向けに販売する姿が散見され、新しい展示会の在り方を感じさせた。

 このほか、ブランディングやコミュニティー作りに役立つユーチューブでのコンテンツ製作、カスタマーサポートで重要性が増しているチャットの精度アップなど、サービスは多岐にわたる。いずれも、関連してのハード面、ソフト面での研修やフォローアップ、評価制度の整備も欠かせない。何を、どんな目的で活用し、限られたリソースでいかに運用するか、精査しながら取り入れたい。

中村維=本社編集部ネットビジネス・ジュエリー担当

(繊研新聞本紙21年2月8日付)

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