季節の移り変わりは激しいもので、あっという間に6月、衣替えですね。そして、あっという間に18年春夏メンズコレクションが始まろうとしています。
もう、20年以上もファッションショーを見て何がしかを書くという仕事をしていますと、自分の中で何がしかの価値基準のようなものが培われるような気がします。そして、それが個々のクリエイションの意味や時代との距離感などを考える視点のベースになります。
この3月に、パリコレクションにプレゼンテーション形式でデビューした「ビューティフルピープル」のクリエイションをどう評価するか悩んでいました。それはプレゼンテーションの時の自分の評価と展示会でサンプルを見た時に感じたものが、あまりに違っていたから。
本来、自分の中の評価軸は「ショーで出したもの、見たものが全て」です。そこで伝わらなかったこと、感じ取れなかったことがあっても、それは見せる側と受け取る側の双方の責任です。
もちろん、受け取る側は当然ながら、デザイナーの意図やクリエイティビティーを感じ取れるアンテナを磨かなければなりません。だから、ショーやプレゼンテーションで見たものが、後になって違う感じ方をするものだと、ああ自分はまだまだ観る目が足りなかったな、と気付かされます。
パリコレクションの速報のレビューを変えることはできないけれど、その後に感じたことを繊研新聞の1面に新しいコーナーを作って書いてみました。そして、デザイナーの熊切秀典さんは、私が思っていたよりはるかにポジティブだったこともわかるインタビューも合わせて載せています。ぜひ、読んでみて下さい。
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おがさわら・たくろう 20年近く国内外のデザイナーコレクションを取材してきた記者が、独自の視点でクリエーションを品定め。たまに得意の料理も披露します