繊研新聞社は全国の店長50人にアンケートを実施、店長が一目置く店長の名前と理由を挙げてもらいました。
推薦理由として多かった一つが、「スタッフを育てるのが上手」な店長。新人や他店からの異動が多い春に際して、実際に推薦された教育上手な店長に、ノウハウや心掛けを聞きました。
《推薦人③》 ヨドバシ梅田店店長・山内勇人さん
VMDや在庫管理、接客、スタッフの販売指導に優れ、店舗力が非常に高い。指導した分、スタッフの力につなげる秘訣(ひけつ)が知りたい。
「ライトオン」神戸ハーバーランドウミエ店統括店長 松下勇太さん
ゲーム感覚で楽しむ工夫
アルバイトが8~9割を占め、春は新人が増えます。教えるのはマインドとテクニックです。
最初はマインド、店の目標。店舗数が多く、2、3駅の距離で自社競合も。自店で買ってもらうには、サービスや接客が大事と、採用の面談や月の節目に伝えています。
次に接客テクニック。向き不向き、得意・苦手の意識の差、仕事のやる気の差はありますが、接客が好きでもできるとは限らず、苦手と思っていても大概はそうではなく、熱量はゼロの人はいないと考えています。
まずは購入意欲がありそうな人の接客につかせます。成功体験が多いほど自信になり、次へ進めるからです。OJTでは、客の試着中、他に気に入りそうな商品を用意するよう指導することが多いですね。成果を褒めることも忘れません。
向き不向きでもやることは一緒
一度言ったことが次に生かせない、同じことを聞かれることもありますが、会社共通の「販売ノート」にブランドや商品の特徴などメモを取らせ、うわの空にならないよう、目を見て話すように促します。接客に向く人も、できるまで時間がかかる人もいますが、やることは一緒。一定育ったら、仕事を任せ、これを繰り返します。
個人の日割りの売り上げ目標もありますが、楽しんで仕事をするのが一番。販売キャンペーン中は、チーム制で特定の商品の販売数を競ったり、ビンゴゲームの感覚で、「ライン週40件獲得」「4点セット購入」などと書いた9個のマス目を用意して、クリアしたらお菓子をあげたりしています。
(繊研新聞 2018/03/26日付を再編集)