札幌ステラプレイス、改装でコロナ前超える勢い 2館体制のもと次をにらむ

2023/12/20 14:00 更新


センター4階にカルチャーを融合したゾーンを設けた

 札幌ステラプレイス(運営は札幌駅総合開発)が売り上げを伸ばしている。札幌の人流の回復を捉え、さらにコロナ前を超える勢いだ。この間の改装が成果を出している形だが、従来は4館体制だった札幌駅の商業施設が当面は2館になっているもと、影響を検証しながら対応する構えだ。

半歩先を打ち出す

 同施設の売り上げは4~11月、前年同期比22.8%増となっている。コロナ禍の鎮静化に伴い札幌駅にもにぎわいが戻っており、とりわけ夏場の活況が押し上げ、19年度比でみても8.0%増と大きく上回る形になっている。これはこの間の改装が支持を集めていることが大きい。

 22年秋に、駅高架下にあった「パセオ」の営業終了に伴ってイースト1階に24区画の若い女性に向けたアパレル、雑貨、コスメなどの集積を設けたのに続き、23年春にはセンター4階のエスカレーター横に、館が重視する半歩先を行くものとして、中古レコード店「フェイスレコード」、カフェ「キオスクコーヒーロータリー」に、ファッションの「インケース」「イオット」「プロア」、デジタル機器の「アンカーストア」を組み合わせたゾーンを設けた。今期はこれら近年にない大型の改装を「根付かせる期間」(中西弘行店長)としつつも、それぞれ客層の拡大などに寄与、売り上げを押し上げている。

運営体制を一本化

 一方、新幹線延伸に向けた工事が続いており、パセオに続いて8月末、札幌駅の商業施設・JRタワーを構成していた「エスタ」が閉館した。これにより地下街の「アピア」と2館体制になった。エスタは大型店を集積する館だったことから、「特定の世代が欠落する性格ではない」とみて、まずはアピアも含めて食物販は部分的に補いつつも、この時点では本格的な対応は取っていない。ただし駅利用者の動線に変化が生まれるといったことがあり、工事を終え、商業施設が新たな姿になるには一定の期間を要することが決まっており、影響を検証しながら店揃えの修正などに踏み込むことを検討している。

 また、2館体制になったことからも従来は館別だった運営体制を一本化、効率化を目指すとともに、一体での発信、地域連携などを強化することにしている。本格化はこれからとなるが、同じく再開発が動き出している大通エリアの動向もにらみながら、工事中の札幌駅エリアのにぎわいの維持に努める構えだ。11月に47回を迎え「JRタワーチャレンジショップ」として期間限定の出店で、北海道の個性的なショップを掘り起こしてきた取り組みの位置づけを高めることなども検討している。



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