リアルと両軸で信頼得る 客と一番近い場所で接する喜び
新型コロナの影響で、販売職の業務は多岐にわたるようになった。客のニーズやアプローチの変化への対応は簡単ではないが、「やりがい」と「楽しさ」が感じられる販売員の仕事の魅力がある。
「フリーズマート」ルミネエスト店の里村璃緒さん。コロナ禍真っただ中の21年4月、新卒でTSIホールディングスに入社。学生時代にインターンシップで店頭を体験したが、入社時は店舗休業中で新たにSNSなどのオンライン業務が始まった。今では店頭接客とライブコマースやオンライン接客を行うなど、「もうすぐ3年目で、ようやく慣れてきました」と、リアルとオンラインの両軸でやりがいを感じている。常に笑顔を意識した明るい雰囲気で、客との距離を縮めている。
リラックスしながら
里村さんは店頭が7割、オンライン3割の勤務構成。週に2、3回は業務中にルミネの撮影所や店舗営業後の店舗で、インスタライブなどの収録や撮影、配信を行う。オンラインは「リアルとコミュニケーションが違う」と、画面越しだが客のニーズや意見、好み、悩みに丁寧に応え、信頼を高めている。声のボリュームやテンポもリアルとは変えている。メッセージのやり取りで、「仲良くなったお客様がリアル店舗に来店される」などリアルとオンラインで活躍。「良い意味で働く場面が違う」と、リラックスしながら勤務している。
現在は新卒へのオンライン研修があるが、当時は店頭業務のみの研修だけ。オンライン業務は「抵抗感はなかった」が、他社のSNSを参考に、良いところを取り入れながら形にし、店舗チームでも研究と工夫をする。また、人とのコミュケーションは好きな方だったが、「学生時代はSNSは得意ではなかった」。そのため、色々な人のインスタグラムを見て研究し、プライベートでは日頃からカフェや人気スポットに出掛けて撮影し、撮影力を上げるように努力している。
「今は現場が楽しい」
入社後の数年は店舗勤務となるが、配属希望は本社勤務だった。しかし、「今は現場が楽しい」と、客と一番近い場所で接する喜びを感じている。新宿店はチームで目標達成に取り組み、一丸となって売り上げ目標を達成した時は満足感が得られ、現場が好きなった。「挑戦させてくれる職場で、スタッフの皆が背中を押してくれる。アパレル未経験でも育ててくる」と、環境にも感謝している。
3年目となる1番の目標は、SNSのスキルアップとフォロワー数を増やしていくこと。ショップの認知度を上げて、ファンを増やし来店のきっかけになるようにしていく。配信ではカジュアルで遊び心のあるコーディネートや色使いを特に提案したいという。
デジタルジェネレーション事業ディビジョンbd事業部販売運営セレクション長の福田大作さんは、「専門学校の授業に参加してPRするなど、帰属意識や向上心が高い。SNS配信に加えて、社外対応にもポジティブな人材」と、さらに今後に期待している。