「うちはもともとソーシャルディスタンス」と話すのは、しまむらの鈴木誠社長。21年2月期の連結見通しを増収増益に上方修正したのは、「ファッションセンターしまむら」の売り上げを下期、前年同期比7.2%増と見込んでいるからだ。
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ファッション関係の多くがコロナ禍に苦しんでいるが、地方の郊外の単独店を中心とした店舗網は、密が懸念されるターミナルや大型の商業集積とは異なるというわけだ。実際、6月以降、「客数が8~9%増えており、この傾向は続くだろう」とみる。そして商品力、販売力の強化を続け、増えた層に「リピーターになってもらう」。
目下の状況はポジティブな要素ばかりではない。今期、退店数が出店数を上回り、初めて総店舗数を減らす見通しだ。地方でより深刻な人口減は、出店余地だけでなく、継続可能な立地を削っている。12年から育成してきた上海を中心とする中国事業も撤退する。
10月1日にスタートする自社EC「しまむらオンラインストア」による押し上げと、課題としてきたしまむら業態の回復で支え、来期からの新たな3カ年計画につなげる。