SNSはZ世代にとって生活の一部であり、価値観や消費行動、コミュニケーションにおいて大きな影響を及ぼしています。10年ごろから様々なSNSが台頭し始め、初めて携帯電話を持った時にはすでにSNSが存在している彼らは、デジタルネイティブ世代ともいわれています。
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情報収集、交流使い分け
Z世代にとってSNSはコミュニケーションツールであり、最も身近な情報収集場所で、日頃から様々なSNSを使用していますが、それぞれの役割は少しずつ異なります。先日シブヤ109ラボで実施した「Z世代のSNSによる消費行動に関する意識調査」では、彼らとSNSの関係性に関する最新の実態が明らかになっています。
ツイッターはテキストでの情報収集が行われる場ですが、ヲタ活や美容など、詳細情報を知りたい時に使われており、また社会全体に起きているトレンドやニュースを知るウェブニュースのトップのような役割も持っています。
インスタグラムは彼らのSNS生活の中心に位置しており、特に友達とのコミュニケーションの場としての用途がメインとなっていますが、これは彼らの投稿頻度が最も多く、コミュニケーションのきっかけとなるネタがたくさんあることが関係しています。投稿に反応したDMをきっかけに、遊ぶ予定まで決めてしまうことも珍しいことではありません。
TikTok売れ続く
この2年ほどで存在感を増しているTikTokは、同世代の中で起こっているトレンドを知る場で、新しいインフルエンサーとの初めての接点にもなっています。昨年話題になった「TikTok売れ」のように、動画で見た商品を楽しむ様子を自分もまねしたいという「再現消費」にもつながっており、引き続き注目が必要です。
動画配信サービスは当初インフルエンサーの企画動画を視聴する場となっていましたが、メイクや旅行、食など多岐にわたるカテゴリの情報収集の場としての利用が年々増えています
インタビューでは検索エンジンで気になる情報を調べるときのように、検索窓に関連ワードを打ち込み、トップに出てきた動画で情報を得るという、これまでのインフルエンサーにひもづいた動画視聴とは異なる行動も見られており、今後動画での情報収集が主流になっていく兆しを感じます。
動画への接触が年々増加しているのは調査結果からも明らかになっており、各SNSの利用状況は全体的に増加傾向にありますが、なかでも動画配信サービスについては、6割が「接触が増えた」と回答し、実際の使用率も95%と最も高いことがわかりました。お買い物に「失敗したくない」という気持ちが強いZ世代は、消費行動における情報収集を慎重かつ入念に行う傾向にあり、このような動画での情報収集が増加している背景として、加工や修正が少ないリアルな状態を確認できることもあげられます。