5月に418人の18~24歳の男女を対象に、政治に関する意識を調査しました。コロナ禍で自身の生活と政治の関わりを身近に感じたことをきっかけに、若者の政治への関心は高まっています。そして今回の調査の結果からは、若者が日本の現状に対して、何かしらの「変化」を求めていることがうかがえました。
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「行けたら行く」
実際に7割以上が「今の日本の政治が変わってほしいと思う」と回答しており、具体的に政治の仕組みとして求めることとしては、「若手議員・女性議員の増加」など、政治に関わる人の構造の変化を求める声や、インターネット投票の導入が挙げられています。
SHIBUYA109渋谷店に新しく構えた「クリエイター・コラボレーション・スペース」にて開催した「4月の選挙、大丈夫そ? SHIBUYA109ミライ会議」に参加した若者からも、変化を求める声が聞かれました。
イベントでは特に「被選挙権の引き下げ」に関する言及が多く、「政治家の年齢・性別の偏りがあることで、価値観も偏っているため、政策も共感できないことが多い」や「20代は経験が浅いという意見もあるかもしれないが、20代だからこそ見えている世界がある」など、同世代の政治家が増え、多様な視点が反映された政治になることを望む声も聞かれています。
今後の投票意向については、7割を超える結果となりました。しかし、4月に行われた統一地方選挙も、残念ながら若者の投票率は依然として低い状況です。この状況は、あまり乗り気ではない飲み会に誘われて、「行けたら行く」という時と似ているなと思います。「行けたら行く」はだいたい「行かない」のです…。
能動的な情報共有を
投票意向は高いものの、実際の行動になかなかつながっていない要因は「身近に感じられないこと」。先述したように、政治家の属性が偏っていることで、共感しにくい。また、若者が政治を自分ごとに感じられる情報が少ないことも影響していると考えられます。
常に情報過多な環境に生きている若者は、興味のある情報ですら最初の情報接触の姿勢は受動的です。既に政治に関心のある人に情報は届きますが、そうではない層に対しては、政治側からの能動的な情報共有がなければ、目に入ることもありません。
彼らの「行けたら行く」を少しでも「絶対行く!」に変えていくには、SNSでの情報発信強化は必須です。インタビューでも「支持するかどうかは置いておいても、SNSでの発信が多い政党の活動は印象に残るし、その問題について考えるきっかけになる」という声もありました。
政治家の公約や政策の共有だけではなく、普段の仕事の様子など、どのようなプロセスで政策実現のために動いているのかを共有していくことが、若者と政治の距離を縮めるきっかけにもなりえます。