「言葉」で振り返るファッション業界~22年1月編~

2022/02/25 10:58 更新


 繊研新聞が日々発信するニュースには、経営者やデザイナー、職人、販売スタッフなど、様々な人々の「言葉」が満ちています。

【「言葉」で振り返るファッション業界】では、熱のこもった言葉たちをひと月ごとに振り返り、ご紹介します。

「規模は小さくても、ハブになることは可能」

「アンリアレイジ」デザイナーの森永邦彦さん

 映画の衣装デザインなど多方面に活動の場を広げている。「より多くの人に届くものより、もっと好きな人に届く服を作りたい」と、自社での拡大路線を改め、他のプラットフォームや企業との協業に取り組むようになった。デジタル、メタバース、NFT(非代替性トークン)でも実践を積んでいく。「企業の中に見いだされていない魅力を見つけ、僕たちのリソースを生かしてつなぐことは、ファッションブランドがやるべきことだし、やれること」と断言する。

(繊研新聞本紙22年1月1日付)

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「全国の竹害を〝竹財〟に変えたい」

エシカルバンブー社長の田澤恵津子さん

 竹が繁茂する地域の環境保全を目的に、計画伐採した竹を使い切るメーカーとして注目されている。繊維化してタオルにしたり、洗剤、抗菌剤にしたりと様々な用途で使いきり、持続可能でエシカル(倫理的)な物作りに挑む。物を作るために物作りをするのではなく、「竹という資源と向き合い、生態を理解したうえで、竹を残すために里山の環境を再生、保全し、100年先の未来につなげていくことが目的」と、他の竹製品メーカーとの違いを説く。

(繊研新聞本紙22年1月21日付)

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「ワークマンに来たことのない人は大勢いる」

ワークマン社長の小濱英之さん

 新業態・商品の開発や出店に積極的で、今年も靴の新業態「ワークマンシューズ」を4月に開設する。作業服・用品を扱わない一般客向け「#ワークマン女子」も出店を加速。「発信を強めて客層のさらなる拡大に努める」。30年に1500店舗達成の目標を掲げており、「プロ、一般客、女性と全ての客層が買いやすい店作りですみ分け、顧客満足度を高める」考えだ。

(繊研新聞本紙22年1月25日付)

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「22年、子供服はきっと変わる」

ナルミヤ・インターナショナル社長の石井稔晃さん

 今春、女子向けのECブランドを立ち上げる。「コロナ下でも、子供のファッションにはいろんな動きが出てきている」として、ポップな色使い、ダンスカルチャー、スポーツなど、子供の日常の変化を捉えて形にし、新しい客層の獲得を目指す。子供服は、しばらくナチュラルテイストのトレンドが続いていたが、新ブランドの投入で市場に新しい風を吹かせる。

(繊研新聞本紙22年1月27日付)

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「みんな簡単に買えないものが欲しい」

せーの社長の石川涼さん

 ファッションブランド「#FR2」の移動販売車業態、ゴルフウェア・雑貨ブランドが成長している。移動販売は位置情報共有アプリユーザーのみが地図上の車を追いかけて探し出せる仕組み。ゴルフは鍵付きのインスタグラムアカウントのフォロワーのみが購入でき、アクセスに必要なパスワードは24時間しか掲載されない。「ネットで何でも買える便利な時代だからこそ、ユニークな売り方が響いている」とみる。

(繊研新聞本紙22年1月21日付)

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