広域型SCで地域密着の産学連携が進む

2016/12/22 06:30 更新


 広域型SCが、地域密着策の一環として学校との取り組みを強めている。〝文化〟を打ち出しながら、大学生などに認知を広げ、集客につなげる考えだ。

 9日に開業したイオンモール長久手(愛知県)4階の壁面アートは県立芸術大学院の学生が手掛けた。同SCが壁面デザイン研究の一環として提案して実現した。

 18日には名古屋商科大学との協業で、学生参加型の地域活性化イベントが開かれた。その準備を進めるため、4月の授業からイオンモールの担当者もかかわってきた。

 同社は情報発信も含めて地域密着策を進めており、今回は開業に際して、大学との連携を重視した。同SCが直結する長久手古戦場駅の愛知高速交通東部丘陵線「リニモ」の沿線には13の大学があり、同駅からのバス通学者も多い。

 ファミリー層を中心顧客とするが、平日夕方には学生の来場が増えるだけに、大学生へのアプローチは欠かせない。「今後も大学との協業を継続する」(中垣智子ゼネラルマネージャー)と話す。

 ららぽーと立川立飛(東京都立川市、三井不動産商業マネジメント運営)は、同SCをパフォーマンスやデザインの発表の場として提供、学生の参加を呼び掛けるプロジェクト「ららキャン」を進めている。

 この12月で開業から1年、ダンス、音楽、お笑い、デザインなどのイベントを開いてきた。「多くの学校から参加があり、レベルも高い」(越川幹男所長)と定着している。24日には聖パウロ学園高校による、1周年記念のハンドベルクリスマスコンサートが開かれる。

 同SCはコトによる地域密着を重視しており、ららキャンはキーワードの一つである〝文化〟の具体的な取り組みだ。ファミリー層を中心顧客とするが、周辺に多い学生の存在は見逃せない。10月からはテナント50店近くが参加する学割サービスも実施している。初年度は順調に立ち上がったので、今後もファンづくりを進める。

 

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イオンモール長久手4階の壁面アート


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