三陽商会、新社長先頭に経営改革を具体化

2016/12/17 11:40 更新


 三陽商会は16日、次期中期経営計画に向けた経営改革「サンヨー・イノベーション・プロジェクト」の進捗(しんちょく)状況を明らかにした。先行して実施している人員削減や不採算ブランド・売り場の撤退などの構造改革、資産売却などの財務改革に次ぐもの。

 内容は①組織・働き方改革②利益向上③成長戦略の三つ。来年1月に新社長に就く、岩田功取締役が同日から杉浦昌彦社長に代わって経営改革委員会委員長となり、具体化を進める。

 同社は今年7月に中期5カ年経営計画を取り下げ、新しい経営計画の策定に向け経営改革委員会を発足。現場の若手中心に課題ごとの検討を進めてきた。数値目標を織り込んだ新経営計画は来年2月に公表する。

 組織では、市場分析力の強化に向けてマーケティング&コミュニケーション本部を発足。全社的な組織体制では現行の5層を3層に統廃合し、責任・権限の明確化や意思決定のスピードアップを図る。中堅・若手の幹部登用も進める。フレックスタイム制やフリーアドレスの導入など働き方の見直しも検討している。

 利益向上策として、粗利益率の3~5ポイント改善を目標にする。MDの標準化・高度化とともに、貿易や生産段階の改善で原価を低減。管理会計期間も決算期に合わせた現行の上期1~6月、下期7~12月を、シーズンサイクルに合わせて上期3~8月、下期9~2月に変更する。決算期変更は予定していない。

 成長戦略として新たに打ち出したのは、既存事業の販路拡大とEC事業の加速。既存事業では「ブルーレーベル・クレストブリッジ」「ブラックレーベル・クレストブリッジ」「マッキントッシュ・フィロソフィー」の商業施設への出店や、これに対応してMDも差別化する。

 ECは今期40%増の売上高42億円となる見通しだ。これを早期に100億~150億円に拡大するため、ブランドサイトやEC専用商品などを強化。ブランドごとにEC推進グループを作るなど、業務運用を分散化させる。

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会見で経営改革について話す、岩田功新社長(右)


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