「計画に対し、覚悟を持って臨んだが、見通しが甘く、信じてくれていた方々の期待を裏切る結果になってしまった。どういう形で責任を果たすのがベストか悩んだが、早期に不採算事業から撤退し、潜在的なリスクを開示すべきという決断に至った。株価の下落も招いていて、すべては私の責任。短期的には非常に迷惑をかける結果になってしまったが、今下期以降、信頼回復・業績拡大に努めたい」と瀬戸健社長。
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M&A(企業の合併・買収)で急成長を遂げてきた。18年3月期末時点でのグループ会社数は75。過去2年間で52社増加した。この方針を転換し、今後は新規M&Aを凍結、ライザップ関連事業を中心に成長事業に経営資源を集中する。
方針転換を決めた背景には、松本晃代表取締役構造改革担当の助言があった。「6月末に入社してからグループ企業を回っている。すると問題が見つかってきた。たくさん買ってきた中には、誰がやったってうまくいかない、簡単には経営再建できないような不況産業(の会社)もあるんじゃないか。もともと瀬戸さんのビジョン、自己実現・自己投資産業にそぐわない会社があるんじゃないかと思った」という。「8月後半から瀬戸さんとはずいぶん話した。私と瀬戸さんの対立が報じられているが、企業にとって対立は必要。我々は健全な対立をしている」と強調した。
瀬戸社長も「我々の間に溝はない。松本さんは愛情をもってライザップグループを考えてくれている。今回の決断は松本さんがいなければできなかったこと。当社に加わってくれて本当に良かったと心から言える」と加えた。
