自動車のファブレス(自社工場を持たない)メーカー、リモノ(東京)は20日、日本製の小型電気自動車「リモノ」の試作車を披露した。ペットボトルを再利用したリサイクル素材でできたテント生地を外装全面に使い、〝着せ替え〟が可能なのが特徴。生地は帝人フロンティアが提供した。
リモノは14年9月、元経済産業省で国産旅客機「MRJ」など数々のプロジェクトにも携わった伊藤慎介氏と、元トヨタ自動車の根津孝太氏が創業した。試作車は全長2・2㍍、幅1㍍。大人2人か、大人1人と子供2人が乗車できる。最高時速は45㌔、走行距離はバッテリー一つで50㌔。「エコ志向や高齢化社会、コンパクトシティー化を念頭に、スローで人にやさしい1マイル車」(伊藤氏)を目指す。
試作車は外部企業による無償の協力を得て開発を進めた。そのうちの1社である帝人フロンティアは、外装資材向けに商業施設や住宅用など幅広い用途で使われるテント用素材「シャガール」を提供した。すぐれた防水性と防炎性を備え、太陽光による色あせも防ぐ。デザインは色・柄40パターンほど揃えるため、着せ替える外装のバリエーションも豊富だ。
現行の国内制度では、試作車が走行できるエリアが限定されるため、来夏に走行規制のないミニカー規格の50台を限定販売する計画だ。価格は100万円の予定。