ライトオンが今春台湾に出店した2店舗が順調なスタートを切っている。特に2号店の環球中和店(561平方メートル)が良く、「初年度売上高2億円を見込める」(藤原祐介取締役経営企画本部本部長兼海外事業部長)勢いだ。今後は商品調達や品揃えを修正、ブランディングにも注力し、成長軌道に乗せる。
(友森克樹)
1号店の微風復興店(330平方メートル)は4月12日に、2号店は5月11日に、両店とも商業施設内に出店した。2号店が入居する新平市中和の環球好物中心(グローバルモール)は、家族客が中心に訪れる年商200億円規模の郊外ショッピングモール。「ユニクロ」「無印良品」のほか、「ザラ」「H&M」なども出店している。
商品価格は日本の約1.3倍だが、メンズ・レディス・キッズ展開で、「リーバイス」「エドウイン」「リー」「ジースター・ロゥ」「チャンピオン」などを揃えている。台湾で販売ができないブランドもあったため、店頭在庫の量を減らし、通路幅や什器間隔を広くするなど工夫を凝らした。この結果、売り場が見渡しやすくなり、客の滞留時間が長くなるなどの効果が得られているという。この成功事例を今後、日本の店にも生かす考え。
現在、商品は日本から送るか、ドロップシップメントを利用している。しかし、後者の比率が1~2割程度と低いため、多くの商品が日本の発売から1カ月程度遅れている。日本と台湾では売れる商品がほぼ同じであるため、今後はドロップシップメントの比率を上げ、発売時期を揃えることで販売機会のロスを防ぐ。このほか、日本と比較するとトップの品番数が不足しているため、別注商品の開発や現地調達に力を入れ、品揃えにバリエーションをつける。
ブランディングにも注力する。フェイスブック、LINE、インスタグラムなどSNS(交流サイト)を活用し、現地の若者に対して「日本のジーニングセレクトショップ」という印象を定着させる。「台湾は単一ブランドショップかSPA(製造小売業)が多いため、大型のジーンズセレクトショップという業態に新鮮味を感じてもらえている。もう少し認知度が高まれば、台湾内で面白い存在になれる」と手応えを感じている。
今後の出店は、売り場500平方メートル程度を基準に、「数年であと1、2店。早めに10店は出したい」考えだ。
2店ともに内装は原宿の旗艦店と同様、デザイン会社のスーパーポテトに依頼した(写真は環球中和店)