【プラグイン/エディトリアル】韓国のBtoBプラットフォーム「Kfashion82」から4ブランドが出展

2024/04/17 06:25 更新


 合同展「プラグイン/エディトリアル」(繊研新聞社とCREDITSの共催)は、4月17~19日、東京・恵比寿のエビス303で開く。今回の出展は74社100ブランド。うち75%が新ブランドや新興ブランドなど合同展初出展だ。アパレルの提案が増えたほか、韓国の新興4ブランドやタイ発のサステイナブルなバッグなど海外ブランドも目立つ。熟練の職人技術による上質な商品も見逃せない。(カッコ内はブース番号)

 韓国・新世界百貨店のBtoB(企業間取引)プラットフォーム「Kfashion82」から、注目のデザイナーブランドが四つ出展する。独創的なデザインを特徴に、ストーリーのある服やヘアアクセサリーが揃う。「韓国ファッションの感性と最新のトレンドを日本のファッション業界の方に体験して欲しい」という。

国内外で活躍するデザイナー

 「People of the world(ピープルオブザワールド)」(H-27)はセクシュアルなムードを取り込んだユニセックスブランドだ。クラフトマンシップをキーワードに、シャーリングや象徴的なプリントなど、テクニックで個性を出す。

 24年春夏は「ザ・グレー」をコンセプトにした。「もっとも中立的であり刺激が少なく、純粋な色で楽さを与える」グレーを基調に、フーディーやダメージ加工したパンツ、ミリタリージャケットなどを作った。ソウル・ファッションウィークでは「リーボック」と協業した。

ピープルオブザワールド

 02年に米ロサンゼルスでスタートし、現運営会社のアンドミュージアム(韓国)が21年に引き受けた。聖水洞(ソウル)にオフィス兼ショールームがあり、グローバルに販路を広げている。

 「ACCEPTANCE LETTER STUDIO(アクセプタンスレタースタジオ)」(H-31)は、韓国出身のデザイナー、シム・ジェギョンさんが21年に独ベルリンで立ち上げた。欧州、アジア、北米で販路を開拓している。

 レディスとメンズがあり、シルエットやユニークな色使いを特徴にする。「ジェンダーフリーと数多くの多様性を考慮したデザインで排他的ではない、人間的欲望や暖かさ、親しみを与える服」を作っているという。 

アクセプタンスレタースタジオ

 ベルリン・ファッションウィークとソウル・ファッションウィークでコレクションを披露。主要なトレードショーにも積極的に参加し、グローバルに訴求している。

 ユニセックス「Kimoui(キムウイ)」(H-32)は、鮮やかな色と個性的な柄で遊び心を加えたニットウェアが売り。ピュアリズムを根底に、毎シーズン、多様なストーリーを組み合わせたコレクションを見せている。

キムウイ

 ブランド名はデザイナー兼ディレクターのキム・デソンさんの苗字と、フランス語でポジティブな返答に使う言葉「oui」を合わせた。

韓国の素材をハンドメイドで

 「Mela bianca(メラ・ビアンカ)」(H-18)は、クラシカルな雰囲気のアクセサリーブランドだ。デザイナーはイタリアのファッション学校に留学経験のあるジョン・ジヒョンさん。フィレンツェの空気と韓国の感性を取り込む。ブランド名はイタリア語で「白いリンゴ」を意味する。「神話に登場するアダムとイブが求めたリンゴと、グリム童話『シンデレラ』に出てくる毒リンゴ」から着想を得た。「どこか危うさを感じるほど、魅力的で手に取らずにはいられない美しさ」を追求している。

 素材はすべて韓国製でハンドメイドしている。ビジューを散りばめたヘアクリップやリボンのヘアピンなどがある。着ける人の魅力を引き出し、「大切な人にもプレゼントしたくなる」ようなデザインを心がけている。企画からデザイン、製作までの過程では、ジョンさんの舞台衣装デザイナーの経験も生きている。

メラ・ビアンカ

有望なKブランドを世界にアピール

 韓国・新世界百貨店のBtoB(企業間取引)プラットフォーム「Kfashion82」は、23年5月に開設した。レディスを中心に約200ブランドが入店し、欧米やアジアのバイヤーが会員登録している。選定基準は現在二つで、一つはソウル市、大邱市、釜山広域市、京畿道の新人デザイナーを支援する団体からの推薦。もう一つは、創業7年未満の有望なブランドを導入する場合だ。

Kfashion82には約200の韓国ブランドが入店する

 世界でのKカルチャーへの関心の高まりも背景に、韓国ブランドの育成、国外進出を促す。今年2月には、欧州の展示会に複数出展した。伊「ホワイト・ミラノ」、仏「トラノイ」「プルミエール・クラス」で知名度を高め、新規会員も獲得した。今回のプラグインにも期待する。韓流ブームが盛り上がり、「日本への需要が増加した」とみて、多くのバイヤーとの出会いと認知度向上を目指す。ブランドの販路を拡大し、長期的にBtoB、BtoC(企業対消費者取引)でも成果を得られるように、国内外の期間限定店の機会も提供している。5月には新世界百貨店江南店に期間店を開く予定だ。

 オンライン上で簡単に取引できる点を強みにする。「日本ファッション市場への期待はさらに高まっている」とし、「日本の大手SPA(製造小売業)と(世界的にも)有名なブランドの隙間市場が狙い目」と考える。「日本の市場で成長できるように色々な施策を計画しており、期待して欲しい」という。



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事