PFAS(有機フッ素化合物)規制の流れが止まらない。一部の物質は人体への毒性などから国際的に規制対象となっているが、毒性が確認されていないものもある。欧米ではそれ以外も含む全てのPFASを禁止する動きが強まる。繊維ファッション業界では長年、撥水(はっすい)撥油剤としてPFASを重宝してきたが、ユニクロをはじめとするグローバルブランドやスポーツブランドは非フッ素にいち早くかじを切り、代替素材開発や消費者へのアピールを進める。一方、国内アパレル企業の中には対策を先送りする姿勢も見られ、課題を抱える。
(中村恵生)
売れない事態に肝冷やす
昨年11月末、環境省が発表した、ある化学物質の規制について、業界の一部で話題になった。その名前はPFHxS(ペルフルオロヘキサンスルホン酸)。一部繊維製品の撥水加工に使用されるPFASの一種だ。発表のわずか2カ月後、24年2月から製造・輸入・使用が全面禁止され、6月から使用製品の輸入も禁止された。