繊維製品の安全性を証明する国際規格「エコテックス」のトレーサビリティー(履歴管理)証明「メイドイングリーン」の取得件数は、19年7月~20年6月の1年間で世界で2808件となり、前年同期と比べ2.2倍と急増した。エコテックス認証全体でも13%増と伸びている。
メイドイングリーンは、安全・衛生・社会的責任に対する生産現場の認証「エコテックス・ステップ」取得工場での生地生産・縫製と、素材・最終製品について有害化学物質を対象とした安全性認証「エコテックス・スタンダード100」の取得を要件とするため、その取得は容易ではない。それでも取得が急増しているのは、事業継承にはパートナーシップに基づくサプライチェーン管理が欠かせないと考える企業が増えていることを示している。コロナ禍がこれを加速していることも想定される。
エコテックスのその他の認証でも、ステップは新規認証が1年間で55%増えた。取得件数が2万件を超えたスタンダード100は5%増だ。コロナ禍で、エコテックス国際共同体がマスク認証の初回登録料の免除を決めたことで、20年1~9月に世界のマスクメーカー270社以上がスタンダード100を取得している。
日本でも20年初めにミドリ安全のユニフォームが国内で初めてメイドイングリーンに登録された。エコテックスの認証機関であるニッセンケン品質評価センターによれば、国内の認証件数は7%増と順調に増え、メイドイングリーンを含め問い合わせが増加しているという。