【新型コロナウイルス情報】政府が緊急対策で中小企業支援 企業の具体化も進む

2020/02/14 11:55 更新


 新型コロナウイルスの感染が日本でも広がり、死者も出た。政府は14日、緊急対策として20年度予算予備費103億円を含む総額約153億円を投じることを閣議決定した。

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 中小企業や中国人観光客の減少で影響を受けている観光産業を支援するため、政府系金融機関の日本政策金融公庫などに約5000億円の緊急貸し付け・信用保証枠も設けた。梶山弘志経済産業大臣は閣議後の記者会見で、中小企業対策について「(生産体制などの見直しによって)大企業による下請け中小企業へのしわ寄せが及ばないようにしたい。業界団体に配慮するように要請する」ことを明らかにした。

 ファッションビジネス関連企業もさらに対策を具体化している。三陽商会は5日付けで、危機管理委員会における対策本部を設置。中国現地の情報収集を行っており「中国の協力工場の現状把握はしている。2月店頭までの製品は既に約9割が国内に納品されてるが、3月下旬以降に店頭展開する商品については納期が3週間程度遅れている」状況だ。今後の各ブランドでの品揃えの影響度を測りながら生産調整を行う。

 アツギは、管理者以外の駐在員を日本に順次帰国させている。煙台の自社工場は中国政府許可のもとに稼働済みだが、「今後の原料や資材等の供給が不透明」と懸念している。

 トーア紡コーポレーションは、中国への出張は原則禁止している。衣料事業の中国子会社無錫東亜紡織は、ビル自体が行政から立ち入り禁止となっており、稼働できていない。衣料の関連会社は一部稼働を始めているが、従業員が戻らずフル稼働までは至っていない。自動車内装材用不織布を生産する広州東富井特種紡織品は10日から稼働しているが、やはり従業員が戻っておらず6割程度の稼働状なっている。在中日本人社員はグループ全体で東富井に勤務する1人で、2月1日に中国に既に戻っており、公共交通機関を使わないなど細心の注意を払い勤務している。

 アパレル物流に強い日新運輸は、ホームページ上で中国各拠点の情報を随時更新している。フォワーディング業務に関しては、当番制や在宅勤務での業務を再開しているが、港湾の状況や輸送業者の対応により、手続きに遅れが出ることも予想されるとしている。また、検品部門も10日以降、順次再開しているが、一部地域では再開許可を待っている。14日現在、検品部門での許可待ちは、日一新国際物流上海の広州・花都センター、青島海新達国際物流の青島、煙台、維坊、安丘、栖霞の各センター。

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