新型コロナウイルス 大手専門店 感染防止策を強化

2020/02/13 17:38 更新


 中国での新型コロナウイルスへの感染の広がりに対して、大手の専門店は現地駐在員らの感染防止策に加え、中国での生産や物流、販売での対策にも着手している。

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◇自宅作業に切り替えも

 ストライプインターナショナルは外務省の注意喚起の前に、上海子会社の日本人出向者2人を帰国させた。店舗は営業中だが、商業施設は客が入らず、売り上げは厳しい状況だ。また、生産を委託している中国工場の稼働は詳細を確認している段階。地域によって状況が異なり、工場で働くスタッフに出勤制限が続いているところもあるようだ。

 同社はまた、国内の本社や事業所に備蓄されていたマスクを先々週から、中国人の役員や店舗スタッフ向けに上海事務所に郵送している。すでに約3000枚を発送したが、到着したのは2000枚程度。残りは国内に留まっている模様で、日中間の物流も滞っていると見ている。

 中国に200店以上の店舗があるバロックジャパンリミテッドでは、休業や営業時間短縮の店舗が出ている。中国拠点社員の感染者はゼロで、日々の検温やマスクの配布を実施。中国拠点の本社社員は、幹部以外は自宅待機(テレワーク)に切り替えた。日本からの出張は中国、香港は当面の間凍結。アジア、その他地域は必要最小限に留め、最終的には上長、総務部長判断に委ねる。

 物流への影響は「中国からの情報が入りやすい体制にあるため、現状を楽観はしていない」という。「アパレルのみならず、日本の全ての輸入商材に影響が出る」と考えている。中国からの出荷は「税関のキャパシティーに懸念があり、物流が再開しても食品や原料、薬品の出荷が優先される可能性がある」。国内では「中国からの出荷が遅れた分が一度に大量に到着した場合、国内輸送面でのトラックの確保や倉庫キャパシティーを懸念」している。商材の一部で航空便も検討しているが、現在は日中間の減便により「飛行機の確保やアップチャージ(値上げ)にどの程度対応するかが課題」だ。

 生産は「70%の工場と連絡がつかない状況」。2月分の商材は納期の目途がある程度はたっているが、2月10日以降に稼働した工場は全体の20~30%。稼働している工場も「地方に帰省していた工員の自宅待機などにより稼働率は50%以下」という。また、資材会社が軒並み営業を再開できておらず、3月中旬以降の商材に影響が出る可能性も考えている。中国内の検品の状況から、一部日本での検品への振り替えも検討する。国内の優先課題は「商材の確保」として「多少コストを払っても日本に入れる方針」だ。

 今後は「中国の影響もさることながら、世界経済および日本経済全体への影響が懸念され、ひいては国内需要に悪影響を及ぼすことを危惧」している。

 アダストリアは、上海に加えて香港の店舗も短縮営業している。日本からの出張は自粛している。上海には数名の駐在員がいるが、現状は大きな混乱はなく、中国駐在の取締役は通常業務で台湾出張中という。状況を見ながら、帰国させるかどうか検討している。

 生産は春節の休みが延長された結果、工場での若干の遅れが発生しそうだ。現状では、在庫不足で販売に大きな影響が出るとは考えていないが、今後の状況を見ながら対応する。予約商品は、注文者に届ける時期が遅れる可能性があるという。

◇国内工場に依頼殺到

 専門店やアパレルが中国での生産体制の見直しを進める一方で、サンプル・小ロット生産の縫製工場、プロモード(岐阜市)には、サンプル縫製の依頼が殺到しているという。春節以降、中国の縫製工場の稼働が遅れている影響によるものだ。

 2、3月が20年秋冬物の展示会シーズンということもあって、「(加工賃は)いくらでも出すから縫って欲しい」と企画会社からレディスアパレル縫製の案件が連日来ている。ただ「スケジュールがタイト過ぎて相当数を断っている」状況だという。

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