政府は4月30日、3回目の緊急事態宣言に伴う事業者向けの追加の支援策を発表した。休業要請に応じた百貨店やSCなど大型商業施設への協力金は4月23日に発表した1施設当たり1日20万円、テナント1店当たり1日2万円に加え、休業したテナント1店当たり1日2000円を施設に支給する方針。当初案の実態とかけ離れた少ない支給額に批判が集まり、事業規模に応じた補償を求める業界などからの声に対応した。しかし、業界からは「焼け石に水。あまりにも額が少ない」との声が強い。休業要請への反発も多く、「緊急事態宣言が仮に延長され、休業要請が継続された場合、営業再開を検討する」という施設もある。
(有井学)
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追加支援策では、1施設を「1館」と捉え、複数の館を運営する施設に対してそれぞれの館分の協力金を支給する方針も示した。例えば、3館体制で300店が入るSCの場合、1日120万円がディベロッパーに支給される。テナントに支払われる1日2万円と合わせると、720万円となる。しかし、3館体制で300店が入るSCで1日の売上高が720万円の施設はあり得ない。政府は追加の支援策について、「規模を考慮した運用見直し」とするが、依然として業界の実態と大きくかけ離れている。テナントに支払う協力金はあまりにも少額であるにもかかわらず、増額されなかった。