日本ショッピングセンター協会は、4月25日に4都府県に発令された緊急事態宣言に伴うSCに対する休業協力金についての要望を内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室に出した。
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テナントに支給する協力金について、ディベロッパーに事務代行業務を負わせないことを求めた上で、仮に代行業務を要請する場合、テナントからの申請書類の取りまとめと提出の業務に限定し、事務負担経費を行政が補填することを要望した。協力金は「直接テナントに支給する」ことも求めた。
さらに、テナントに対する協力金の申請内容を簡易にすることや、その内容について「ディベロッパーが責任を問われない」ようにすること、ディベロッパー向けを含めて、申請期間は緊急事態宣言終了後から「3ヵ月以上」とし、「速やかに交付する」こと、協力金の対象テナントは休業要請措置の対象外業種を含め、実際に休業した全店とすることなどを求めた。
政府は今回の緊急事態宣言に伴い、床面積1000平方メートル以上の百貨店やSCなどの大型商業施設に対し、「生活必需品」を扱う店舗や売り場を除いて休業を要請。休業した施設には1日最大20万円、テナントには同2万円を協力金として支給する案を公表している。4月30日には内閣府の西村康稔経済再生担当大臣がテナントへの休業協力金のうち1割をディベロッパーに支給することを明らかにした。
SC協会と日本百貨店協会は緊急事態宣言発令決定前から政府や大阪府、東京都に対し、大型商業施設への休業要請に反対すると同時に、要請された場合の「実情に合わせた十分な補償」を求める要望書を出していた。今回の西村大臣の発表内容を含め、支給額の少なさなど政府の「支援策」に対する業界の反発は強い。百貨店の取引先の大半を占める消化仕入れ契約の店舗は「テナント」にあたるかどうかも不明確で、業界には不安も広がっている。