山形のナカノアパレル 〝素材ありき〟で自社ブランド

2019/02/08 06:30 更新


 カットソーメーカーのナカノアパレル(山形県南陽市)は今秋、レディスのオリジナルブランド「ジャージー」をスタートする。入社3年の女性がデザインを担うことで、社内での若い人材活用、モチベーションアップにつなげる。「ファクトリーとして今まで培ってきたノウハウを伝えられるブランドにしたい」(中野一憲副社長)考え。

 同ブランドは「着やすく、人を引き立て、本質的」がコンセプト。カットソートップを中心にしたコンテンポラリーベーシックなレディスウェアだ。素材ありきの商品開発に、自社の特殊な縫製手法を組み合わせて洗練された繊細さを表現する。19年秋は、ドライタッチで洗濯してもへたらない強撚の綿80番双糸のフライスをインナーに、通年着用できるスビン綿の60番双糸はTシャツやチュニックにする。軽量でふわっとモチモチ感のある綿・リヨセルの裏起毛はスウェットシャツやパーカに、光沢があり軽量な綿100%の裏毛はワンピースなどに使う。オーバーサイズだが身頃の前後差をつけたり、襟ぐりに4ミリ幅のバインダーを使ったりすることでフェミニンに仕上げた。

 インナーで5800円から、Tシャツ7800円から、スウェットパーカ1万9000円から、ワンピース2万1000円。卸し先は有力セレクトショップや地方の個店を想定。百貨店など商業施設での期間限定店も予定する。

女性向けにベーシックなカットソートップ中心の「ジャージー」

 デザイン担当はファッションを学ぶためにブラジルから来日し、服飾系の大学を経て同社に入社したヴィンクラー・アルベス・マリナさん。国内の自社工場で働くベテラン職人から縫製手法のアイデアを出してもらうなど細部にもこだわり、全社員の思いを結集し、愛着が持てるブランド作りを目指した。

 同社は国内のアパレルはもちろん、海外の有力デザイナーブランドのOEM(相手先ブランドによる生産)を担う。設立30周年を迎えた昨年、山形本社工場の向かいに社員寮やシェアハウス、保育所を整備するとともに、研修センター、マルシェなどが行える広場を設けた新社屋「ナカノビレッジ」を開設した。今後も若い人材の確保、育成に力を入れる。



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